起立性調節障害の改善には、日中の過ごし方だけでなく「夜の習慣」が非常に重要です。特に起立性調節障害のお子様方にとってにとって「寝る」というのは努力しても眠れるものではないですが、就寝前の過ごし方次第で、自律神経のバランスが整い、朝の目覚めを大きく変えることができます。今回は、夜にできる具体的なリラックス方法や、睡眠の質を高める工夫について紹介します。
1. 夜のスマホ・ゲームとの付き合い方
寝る直前までスマホやゲームをしていると、脳が興奮状態になり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。家庭内でスマホやゲームの使用ルールを決めましょう。依存に近い状態であればアプリで利用に制限をかけるのも1つの方法かもしれませんね。
起立性調節障害のお子様の多くは、夜の過ごし方に課題をお持ちの方が多い印象があります。
対策:
- 寝る1時間前にはスマホをオフ
・スマホのブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を妨げます。
・ナイトモードを活用し、ブルーライトカットを設定するのも◎。 - リラックスする代替習慣を作る
・読書、ストレッチ、深呼吸など、リラックスできる時間を確保する。
・音楽を聴く場合は、リズムの少ないヒーリング音楽や自然音が効果的。
2. 温冷浴の効果とやり方
体温の調節は自律神経の働きに直結します。特に「温冷浴」は交感神経と副交感神経を整えたりするのに効果的です。
温冷浴の方法:
- 湯船に38〜40℃のぬるめのお湯をため、5〜10分浸かる。
- お湯から出たら、冷水で足首や手をさっと流す。
- これを2〜3回繰り返し、最後はぬるめのお湯で終える。
ポイント:
- シャワーだけで済ませるより、湯船に浸かることでリラックス効果が向上。
- お風呂後は靴下や湯たんぽで足元を温めると、より深い睡眠につながる。
(寝るときは靴下を脱ぐ) - お風呂のタイミングは夕食前にして、自律神経が睡眠のタイミングに向けて緩やかに整うようにしましょう。

3. 夕食のタイミングと内容を工夫する
寝る直前に食事をすると、消化にエネルギーが使われ、睡眠の質が低下します。
夕食の理想的なタイミング:
- 就寝の1〜2時間前までに済ませる。
(食後すぐに寝るのは良くないですが、最初はあまり意識せずにお腹が満足して眠くなってきたら床について自然と眠る準備をするのも、リズムを正すうえでは有効です。) - 夜遅くなる場合は、消化の良い軽めの食事を選ぶ。
睡眠をサポートする食べ物:
- トリプトファンを含む食品: バナナ、豆腐、納豆、チーズ(セロトニンの材料になり、リラックスを促進)。
- マグネシウムが豊富な食品: ほうれん草、ナッツ類、玄米(自律神経の安定に役立つ)。
避けるべき食べ物:
- カフェイン: コーヒーや緑茶は夕方以降は控えめに。
- 脂っこい食事: 消化に時間がかかり、睡眠の質を下げる。
理想的な夕食メニュー例:
- 主食: 玄米ご飯(消化がよく、マグネシウムが豊富)
- 主菜: 鶏むね肉の塩麹焼き(低脂肪・高たんぱくで消化が良い)
- 副菜: ほうれん草のおひたし(マグネシウム・鉄分が豊富)
- 汁物: 味噌汁(発酵食品で腸内環境を整える)
- デザート: バナナヨーグルト(トリプトファン・乳酸菌でリラックス効果)

4. 快適な睡眠環境を作る
寝る環境を整えることで、自律神経がリラックスし、深い睡眠につながります。
快適な寝室のポイント:

- 部屋を暗くする
・就寝1時間前から間接照明に切り替え、睡眠モードに入る。 - 適度な室温を保つ
・冬場は18〜22℃、夏場は25℃前後が理想的。 - 音を整える
・静かな環境を作るために、ホワイトノイズやヒーリング音楽を活用する。
まとめ
起立性調節障害の改善には、夜の過ごし方が大きな影響を与えます。就寝前のスマホ利用を控えたり、温冷浴を取り入れることで、自律神経を整え、朝の目覚めがスムーズになります。まずは、自分に合った方法から取り入れてみましょう。
次回は、「気持ちと環境の整え方」について詳しくご紹介します!
